「選びやすい陳列」とは、「決めやすい陳列」「理解しやすい陳列」でもあります。
お客様の最優先選択基準から選択肢まで、きちんと順番に整理整頓され、ルールに従って並べられていることが、一目瞭然で伝わるかが選びや
すさの条件です。
また、グループ商品同士が比較検討しやすい様に陳列されているか、手に取りやすい様に置いてあるか、「決めやすい」状態が、最終決定→購入
に繋がる最重要要件です。例えば、「お酒」の陳列だと、街の酒屋さんと、空港や駅のお土産屋さんでは、お客様の選ぶ優先順位が違ってきす。
街の酒屋さんだと、酒の種類(焼酎、日本酒、ビールなどのカテゴリーから、銘柄や値段などと、条件が細かくなって最終的に選択の条件に一番
合ったものを購入する。九州の大型のお土産屋さんだったら、地域別に選ぶ事が多いのではないでしょうか。熊本、鹿児島、福岡などの県別に分
類し、その中でお酒の種類、好みの銘柄(味や蔵)など、優先順位が店舗形態によって変わってきます。自店のお客様は何を優先的に選んでいる
だろうという事をよく見極めて棚割していきましょう。そうすれば、本当に「選びやすい」「見やすい」「手に取りやすい」「整然とした」陳列になるでしょう。
手にとってもらえる、選んでもらえるなど、購入まで効果的に顧客を誘導する商品の並べ方について。
顧客の選択順位に沿って分類した商品群を一つのグループとして、さらにその商品の持つ要素(サイズ、色、味、容量など)を基準に幾つかの
サブグループに分け
ます。グループ分けした基準が明確に分かる様に棚を構成していく事が棚割のポイントです。商品のバリエーションや奥行きを訴求する事で同時
購買や比較購買を促進出来ます。
また、アイテム数に適した棚のスペースも確認しながら、フェイス数も決めましょう。先述しましたが、お客さまの選ぶ優先順位を把握して選択
の順番通りに分類、配置していく事で、棚に「気持ちのいい流れが」出来ます。これは回遊率や店内滞在時間にも影響しますので、入店してもす
ぐに帰られてしまう、という問題を抱えている店舗は、陳列が分かりやすいかどうか、顧客目線で確認する必要があります。
商品の販売促進には、陳列方法も重要な要素となっています。お店の陳列が効果的であれば、顧客は商品に興味を持ちやすく、購入も大事です。陳列しやすい什器を選ぶことで、商品の魅力を最大限に引き出し、お店の売上向上効果が期待できます。
1.シンプルで洗練されたデザイン
陳列什器は、商品の損役として機能するだけでなく、店舗の雰囲気に影響を与えます。シンプルで洗練されたデザインにも什器は、様々な商品にマッチしやすく、視覚的な認識も容易です余計な装飾がなく、商品自体が主役となるようなものを選ぶことで、効果的なデザイン陳列が可能です。
2.可動式で柔軟なレイアウトが可能
お店の陳列は季節やイベントなどによって変化することがあります。そのため、可動式の什器を選ぶことで、簡単に陳列の変更ができます。可動式の什器は、商品の品揃え変更や特別なプロモーションにまた、柔軟な配置が可能なものは、お店のレイアウトに合わせて最適な陳列ができます。
3.視認性とアクセシビリティを考慮
陳列什器は、商品が一目で分かりやすい位置に配置されることが重要です。商品が視認しやすく、顧客が手に取りやすい高さに配置されていることが大切です。 、お客様にとってストレスのない買い物体験を提供し、満足度を向上させます。
4.データと経験から構築
過去の陳列の実績やデータ分析を元に、どの什器が効果的であるかを把握しましょう。の特性やターゲット顧客層に合わせたカスタマイズが、効果的な陳列を行います。
戦略的かつ効果陳列は、お店のブランドイメージ向上や顧客満足度の向上にもつながります。に合わせた陳列什器の検討を検討し、お客様に魅力的な買い物体験を提供してください。
在庫管理は、お店が商品をうまく管理し、お客さんが欲しい商品をいつでも手に入れられるようにする大切な仕事で、以下のポイントが理想的な在庫管理につながります。
バランスが大切:
お店では、あまりにも多くの商品を持ちすぎたり、逆に少なすぎるといけません。お店が持っている商品は、ちょうど良い量で、お客さんが欲しいと思うタイミングで手に入るようにしなくてはいけません。これは、お店がバランスを取る大切なポイントです。
新しいトレンドを見逃さないように:
お客様が好きなものは時折変わりますよね?お店では、新しいトレンドや流行りの商品にも注意を払って、お客様が欲しがるものを逃さないようにします。
整理整頓が魔法の力:
お店では、商品を整理整頓してきれいに並べることが大切です。そうすると、お客様は欲しい商品を探しやすくなりますし、お店も何がどれくらい残っているか把握しやすくなります。
お客さんの声に耳を傾けよう:
お店では、お客様の声を大切にします。お客様が何を求めているのか、どんな商品が好きなのかを聞いて、それに合わせて在庫を管理します。
お店はいつでもお客様が欲しいものを提供できるように、バランスをとりながら楽しい商品を整理整頓して、お客さんの声に耳を傾けながら頑張らなくてはなりません。
買い回りしやすいレイアウトとは?
大型食料品店において、買い回りしやすいレイアウトにするためには、いくつかの重要な要件があります。
以下はその一部です。
直線的で分かりやすい配置:商品が直線的かつ論理的な順序で配置されていると、顧客は買い物リストを追いやすくなります。同じカテゴリーの商品は近くにまとめ、顧客が迷うことなく目的の商品を見つけることができるようにします。
主要商品の配置場所:店内の主要な商品やPOPは、顧客の動線上の目立つ場所に配置されることが一般的です。
これにより、顧客は最初に視認することができ、店内を効率的に回遊しやすくなります。
正しいな通路の広さ:通路幅は広めに確保され、買い物カートがスムーズに進むように設計されなくてはいけません。
関連商品の隣配置:一緒に使われることの多い商品は近くに配置されると、顧客は必要な商品を見つけやすくなります。例えば、パンの隣にバターやジャムが配置されているなど。またカテゴリーや特集商品の場所を示すサインがあると、より誘導性が高まります。
商品陳列の高さ:商品が陳列される高さは、顧客が商品を視認しやすいように設定します。最近のスーパー、量販店では、ターゲット(女性や高齢者)を考慮して棚の高さを低くしている店舗も見られます。
チェックアウトエリアの効率性:レジや支払いエリアはスムーズで迅速な操作ができるように設計されるべきです。
列の整理や支払い手続きが迅速に進むような工夫が求められます。
これらの要件を満たすことで、顧客は買い物がしやすくなり、店舗の効率性も向上します。
購買意欲を促進する、パンやお菓子の陳列方法とは?
ケーキやパンのような食品の陳列は、どの店も一様に焼き上がりを店頭の定位置にただ天板に並べているお店がほとんどです。出来立てをその
まま店頭で販売する形式なのでパッケージやラベルもなく、ショーカード(名前と値段を記載したPOP)のみで商品をアピールしなくてはなり
ません。
パンやケーキのお店に、VMDの課目のいくつかを落とし込んでみましょう。まずは前述したショーカード(POP)ですが、商品の特徴、例えば
素材、こだわった製法、味などを簡潔に表記します。
「岡山産の桃を丸ごと使って北海道産特製クリームで仕上げた季節限定贅沢タルト」など、見た目だけでなく、シズル感のある文章で訴求力を
高めます。
フェイシング(お客様から見た商品の見え方)について、パンにも美味しそうに見える陳列の仕方があります。
メロンパンの美味しそうに見える部分は?その部分がお客様からよく見えるような位置に陳列されているでしょうか?
切り口の断面が美味しそうならその部分が見えるように並べているか?また、山盛りにしたほうが美味しそうに見える商品もあります。
クロワッサンやマフィンなどは素朴な焼き色がより美味しそうに見えるし、豊富感も演出できます。
高級なチョコレートやカラフルな色のマカロンはどうでしょう?規則的に並べたほうが、より高級感を演出できるのは言うまでもないですよね。
盛り付ける容器も商品の特徴をより訴求できるものを使いましょう。回転率のいいものはあえてオーブンの天板のような容器に盛って店頭に出
すことで、焼きたて感を演出できます。カレーパンなど揚げたてのものは揚げ物用のバットのような容器に。お焼きのようなパンは、一枚一枚
手焼きの丁寧な印象を与えるためには木製のすのこに並べる。
また、商品の配置も、季節限定、新商品、売れ筋、定番など、それぞれ分類しながらグループごとに割り付け、回遊率と買い上げ点数を考慮した
ゾーニングにします。アイランド形式の平台には新商品、壁面棚の定位置には食パンなどの定番、ショーケースの中も優位置に季節限定、ケース
の端の方はやや見にくいかもしれませんが、定番のロールケーキやプリンなどはリピーターが認知してくれています。
袋詰めの焼き菓子などはマルシェ風に陳列してみましょう。見た目も賑やかで楽しく立体的で華やかで目に留まりやすく、店内のマグネット売り
場を作ることが
きます。「ついついたくさん買ってしまった~!」を店内で発生させる工夫はたくさんありますよ!
店内の回遊率を向上させる、売り場のマグネットコーナーの設置とは?店舗内の回遊率が改善した事例をご紹介します。
商業施設のテナントのような一見、入りやすい店舗でも見通しをしっかり確保しないと、入店率だけでなく店内滞在率などにも影響するという
事例をご紹介します。
画像は一枚目がビフォー、二枚目が改善後のアフターです。お客様の滞在時間が短く、買い上げ率が低いお悩みでした。買い上げ率を上げよう
と、入店客に付いて一生懸命接客に臨んでいましたが、中々売り上げは上がりませんでした。そこで店外からの見通しを確保し、各所にマグネッ
トコーナーを設置し、店内の大体の品揃えが把握出来、奥が良く見えて心理的に入りやすいレイアウトにプチ改装しました。カラフルなスーツ
ケースベルトと折り畳みバッグをマグネットにしました。店内回遊率、滞在時間が向上したのは言うまでもありません。
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赤で囲んでいる部分がマグネットコーナーです。
お店の売り場のフロア上で商品を分類配置する「ゾーニング」は、商品の分類から始めます。平面図を見ながら、店前、半ば、店奥のどこに
どの商品群を置くか、商品群同士に関連性はあるか、マグネットになる売り場(コーナー)が適所にあるか、などを考慮し、顧客が隈なく
歩き回るような導線を引きながら店内フロアレイアウトします。
【ゾーニングの手順】
ショップを構成する段階では、最初に分類した商品群を、大分類(ゾーン)中分類(コーナー)小分類(棚割)へと細分化し、配置して
いきますが、まずは、ゾーニングから、コーナーへの手順を説明します。
①グルーピングした商品群を分類ツリーで細分化します。
②最初に大分類された商品群をフロア上で区切りながら落とし込みます。その際、導線や通路幅、マグネット売り場も考慮しながら区分して行
きます。
③ゾーン内で、中分類された商品群をコーナー展開して行きます。什器レイアウトや通路からの見通しなどを考慮しながら配置して行きます。
また、定番売り場以外で、プロモーションコーナーの設置、時期(季節、イベント)によって什器レイアウトや商品展開を変更するなど、店内の
鮮度を保ち、既存客を飽きさせない工夫も必要です。
その際、必ず十分な通路幅が確保できているか確認しましょう。
先日売り場コンサルさせて頂いた酒店の事例紹介です。
①デジタルサイネージで入荷状況などを告知
②地元の人気クラフトビールをゴールデンゾーンに陳列
③店頭POPに、産地、蔵、味(辛甘)、特徴などの説明を一目で分かるよう記載
④島什器周りを演出してマグネット売り場に。
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路面店は、入りやすさ(店内の明るさ、見通し、店内情報の開示など)を視覚化すること。
そして、入店後の店内訴求を段階的にフロア上で行うこと。
この店は他にも、Instagramを始めるなど、店外での販促も行った結果、数週間でもう効果が確認されました‼️
売り場改善はとにかく「やってみる事」が、成果への第一歩。PDCAを繰り返しながら思いついた事はどんどん実践してみてください!
店内の陳列、レイアウトの際、来店客が商品を探しやすいような、分かりやすいカテゴリー分類は買いやすい売り場の条件ですが、業種に
よってはあえて分類を大まかにして、好奇心を刺激しながら宝探しのように回遊させるというレイアウトもあります。例えば、以前、
「日本の各県や都市の地図の柄が施された商品を製造販売している雑貨店」の店内を見た事がありました。柄の種類は全国の県・都市なので
とても多く、地図のイラストも様々なテイスト(クラシックな古地図柄からカラフルで可愛い図柄)があり、これらを地域別、テイスト別に
分類陳列するのは、管理的に骨が折れるでしょう。その店舗が行なっていた施策は、きっちり地域別に什器を分けて、各什器に地域名のサインを
掲示する方法でした。確かに、来店前の顧客には何のお店か一目で理解でき、お目当ての地域の柄が探しやすいですね。でも、私は少しつまら
ないな、と感じました。なぜなら、お目当ての地図柄商品を見つけると、それを買うという目的を達成したら、お客様はすぐに帰ってしまい
ます。雑貨店という、面白い物を見つける事がワクワクするような業種は、ある程度分類配置を曖昧にして、見る側が、回遊しながら大体理解
できるくらいの緩さがあった方が、探索するワクワク感を感じてもらえるのではないかと思いました。スーパーやDIY店、ドラッグストアなど、
目的がはっきりしていて、出来るだけ短時間で目的の売り場まで誘導すべき店では、カテゴリー分類の正確さは必要です。でも、雑貨店の場合
は、何が置いてあるのか、というより、何だかワクワクする様な面白い店だな、という好奇心を刺激して入店してもらう方が、興味を持って
店内を見てもらうことが出来、店内滞在時間が長くなると思います。最短で目的の商品まで誘導するべき業種か、お店の世界観を感じてもらい
ながらゆっくり滞在してもらう店か、レイアウトの仕方も様々です。
小売店のVMD研修の講座では、カリキュラムの中に必ず「陳列」の科目が入っています。いわゆる顧客目線で選びやすく、見た目にも美しい陳列の定義や、
作り方の手順を学んで頂きます。研修では理論の後、実際に陳列を演習して頂きます。
小売店の店舗で行うのが本当は理想的ですが、座学からの流れでセミナー室で行う場合、当社で用意したテキストと教材を使用したグループワークを行って頂き
ます。まず、紙にプリントした店内の平面図に什器レイアウトを配置していき、(ゾーニング) 次に分類した商品をどこのゾーンに陳列するかを決めます。
そして最終的に棚(紙にプリントした)に割り付けていくという手順です。
一番悩むのは中分類(商品のグルーピング)です。食品を扱っている店舗でも様々で、スーパーと道の駅では似たような商品を扱っていますが、顧客が選ぶ優先
順位が違ってきます。また、観光地の土産店なら、最初のゾーニング(大分類)から、観光客の目線で作っていかなくてはなりません。「商品の種類」という
よりも「お客さまの選択の優先条件」の文脈に沿った順番を意識しながら配置をしなくてはなりません。なので、陳列の演習に入る前に、その店の業種業態、
顧客の買い方を踏まえながら商品分類を行う事も小売店のセミナー・研修における必修科目にしています。お客さまの選び方、買い方をよく把握しているかの
確認にもなります。グループワークだと、さまざまな視点や意見が出て各自参考になり見直すきっかけとなります。あーでもないこーでもないと、ディスカッシ
ョンし、自分以外の人がどんな目線で日頃店内や顧客を観察しているかもとっても勉強になりますよね。受講生が意見を出し合うのは研修の醍醐味です。お店は
従業員で共創する方がお客様に共感される店舗になるのです。これも店舗の研修の最大の目的です。VMD研修・セミナーでのワークショップは、座学(理論)
のアウトプットなので学んだ内容がしっかり身に付きますし、自店舗での実践も戸惑うことなく行えます。アタマと手を使って、アレコレ思案したり悩んだりし
ながら他の人たちと売り場を共創すると記憶に残るんです。
【色を主役にした並べ方】
色は人の心理に作用します。色彩の原理原則に則った並べ方は秩序があり、視覚に訴え、見る人は心地よさを感じます。
まずは、色の科学的理論や美しく見える配色のルールを理解し、展開方法を計画します。商品の持つ色を前提として、バリエーションの豊富さ
や特徴を訴求し、「色」を最大限に活用し、陳列によってお店の品揃えを最大限に演出しましょう。
【ワンランク上の陳列テクニック】
展示と違い、陳列は複数の商品を多数並べる形式で見せている場合がほとんどです。また、商品によっては展示も兼ねた陳列方法も見られます。
美しく見える陳列は思わず立ち止まり、購買意欲を促します。また、フェイシングやカテゴリー分類などの機能性と審美性を訴求した陳列は、
限られた店内では合理的に機能すると言えます。商品特性や什器形式に合った陳列で目線の誘導を設計し、「目を引く陳列」を店内に設置して
売り場全体も美しく演出しましょう。